最終更新日:2024.01.15
腸内の健康や美容に役立つといわれる『食物繊維』。
食事の中では不足しがちなため、毎日の青汁でぜひ取り入れたい成分でもあります。 今回は青汁の原料の中で、どの青汁の食物繊維が多いだけでなく、成分ごとの特徴や飲む時の注意点についてご紹介します。
この記事の執筆者
グリ-ンハウス株式会社
健康管理士一般指導員
横尾 奈都
人生100年時代の幸福度は「健康」によって大きく左右されます。健康食品業界で20年にわたり商品開発やCRMなど幅広い経験を積み、自身の健康マネジメントのため妊娠を機に始めた青汁の愛好家としての目線から、生活習慣病や老化の予防法のひとつとして有効な「青汁」に関する知見を少しマニアックにお伝えします。
青汁の主原料にはケールや大麦若葉、明日葉、桑の葉、クマザサなどをメイン成分に使っているものが多く、その成分によって、含まれる食物繊維の量も様々です。
原料 | 食物繊維の量(粉末100gあたり) |
---|---|
ケール | 25.0g |
大麦若葉 | 45.0g |
明日葉 | 6.0g |
桑の葉 | 40.0g |
クマザサ | 60.0g |
※1:当社調べ
上記の内容からみると同じ粉末の中では、一番食物繊維量が多い原料は「熊笹」次に多い原料が「大麦若葉」という結果になります。熊笹はイネ科笹属の植物、大麦若葉はイネ科オオムギ属の植物である大麦の若葉部分ですので、見た目からも食物繊維の量が多そうですね。
私自身色々な青汁を飲みましたが、少し繊維質な舌触りの青汁が多いのもこれらの青汁。製法にもよるかと思いますので、飲んだ時の舌触りが気になる方は、まずはサンプルなどでお試しになると良いと思います。
その青汁の中の配合量によっても1杯当たりの食物繊維の量は変わります。詳しい成分量をチェックしてから購入することもオススメです。
「食物繊維は出来るだけ摂る方がいい」「便秘に効果的」などのイメージがある食物繊維ですが、実際には体内でどのような働きをするのでしょうか?
食物繊維は大きく分けて2種類あり、それぞれ体内での働きが異なります。(※2)
※2:リアノン・ランバート著.訳,熊谷. "食事と栄養の科学大図鑑."河出書房新社 2022年11月
水に溶けやすい食物繊維の総称です。ゲル状になるため、便を軟らかくする効果があります。そのため、便が腸内をスムーズに通過できるようになり、快適な便通を促します。
さらに、ゆっくり摂取すれば空腹ホルモン「グレリン(Ghrelin)」に影響し、満腹感を得られやすくなる効果もあります。
水に溶けにくい食物繊維の総称です。セルロース、キノコのキチン類がこれに当たります。体内で分解されにくく水分があると膨張してそのまま腸内に届くため、便の容積を増やし、便通の改善をサポートします。
近年、日本人の食物繊維の一日の平均摂取量は減少しており、平均摂取量は一日あたり14g前後と推定されています。(※3)厚生労働省によると、一日あたりの食事摂取基準は、18~64歳の男性で21g以上・女性では18g以上といわれています。(※4)
平均摂取量と目標量の差から見ても、食物繊維は積極的な摂取が必要な成分といえます。青汁のみでと限定せず、食生活の中でも意識して摂っていきたいですね。
※3:厚生労働省 食物繊維の必要性と健康「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※4:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会.“日本人の食事摂取基準(2020年版).”第一出版,2020
食物繊維を目的に青汁を飲む際、気を付けておきたいのは「飲むペースと摂取量」です。
青汁に含まれる水溶性食物繊維は体内でゲル状になるため、満腹感も得られやすいのですが、ゆっくり飲む方が満腹感の継続時間が長く、食べ過ぎ防止にも繋がります。
また、食物繊維を多く摂り過ぎると他の栄養素の吸収を阻害し、水溶性食物繊維の場合は下痢を起こしやすくなる・不溶性食物繊維の場合は老廃物が増えて逆に便秘の原因になる等のデメリットもあります。結論としては、グイッと一気飲みではなく少しずつ時間をかけて、目安量を飲むのが一番効果的といえます。
食物繊維と青汁の関係、いかがでしたでしょうか?実質、毎日の食生活の中でも食物繊維はありますので、食物繊維が多い食品を意識して食べつつ、青汁をゆっくり飲むよう習慣づけると、より理想的な食物繊維の摂取に繋がります。
飲む際にはそのペースも併せて意識してみてください。
また、青汁を探している方の中でも「食物繊維のためだけに青汁を始めよう!」という方は少ないのではないでしょうか?多くの方が野菜不足やビタミン不足対策として始める方がほとんどだと思います。
数ある青汁の中から、あなたにぴったりの品を探してみてくださいね。監修
グリ-ンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
誰もが気になる“健康”のこと。健康的な毎日を送るために欠かせないのが、十分な栄養と適度な運動です。食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、食事やライフスタイルのヒントをお伝えしたいと思います。