最終更新日:2023.12.20
我が子の好き嫌いは親にとっては深刻な問題。子どもが野菜嫌いにならないように、離乳後期頃から色々な食材にチャレンジする親御さんも多いと思います。
今回はそんな幼児期(2~5歳)から青汁とその理由・選び方の注意点などを、私自身の体験談も含めてご紹介します。
この記事の執筆者
グリ-ンハウス株式会社
健康管理士一般指導員
横尾 奈都
人生100年時代の幸福度は「健康」によって大きく左右されます。健康食品業界で20年にわたり商品開発やCRMなど幅広い経験を積み、自身の健康マネジメントのため妊娠を機に始めた青汁の愛好家としての目線から、生活習慣病や老化の予防法のひとつとして有効な「青汁」に関する知見を少しマニアックにお伝えします。
幼少期の子どもが何歳から青汁を飲んで良いかは、その原料によります。
例えば、ケールの青汁はキャベツやブロッコリーと同じアブラナ科の植物ですので、キャベツやブロッコリーを食べても良いタイミング。大麦若葉やクマザサなどはお野菜等ではなく、消化しにくいイネ科の若葉が原料ですので、大人と同じ食べ物が食べられるようになってからと判断して良いでしょう。ただし、原料だけでなく重要なのはその他の成分です。
特に以下の成分が多い青汁には幼少期にはおすすめしません。原料をよく見て選ぶよう心がけましょう。
味を整えるために入れてある場合も多いのですが、幼少期には多く摂取すると軟便・下痢の原因にもなりますので出来るだけ控えるようにしましょう。
原料に追加配合されているビタミンや食物繊維などを含む青汁は基本的に成人向けに作られています。幼少期には追加成分が配合されたものは避け、出来る限り原料の成分のみのものを選びましょう。
ボツリヌス菌が含まれているため、特に1歳未満の乳児は乳児ボツリヌス症の危険があります絶対に与えないようにしましょう(※1)。
上記の注意点を踏まえれば、幼少期、特に2~3歳の子どもに青汁を飲ませることには大きく分けて2つのメリットがあります。
幼少期の中でも3歳までの味の経験は、その後の人生の「味の嗜好」を左右すると言われています。
好き嫌いを少なくするためには、いわゆる「野菜の青臭さ」に出来るだけ慣れておく必要があります。毎日の食事にプラスして、青汁などで野菜の味にふれる機会を増やす事はとても有効な手段です。
子どもの便秘は意外に多く、特にトイレトレーニングを始めた2歳頃から便秘気味になる幼児が増えると言われています。それでなくともイヤイヤ期は体調不良の確認をするのも一苦労。つらい便秘を予防するためにも、手軽に野菜不足を補える青汁はおすすめです。
味覚の発達期に色々な食材に親しんでもらおうと努力する親御さんも多いと思います。
幼少期は野菜の見た目だけで拒否してしまう子も多いので、見た目を変えたり、味を混ぜたりしながら、少しずつ慣れてくれればいいという気持ちで取り入れていきましょう。
改めて、子どもに青汁を飲ませようかという時、気を付けたいポイントをまとめました。
農薬・化学肥料不使用、残留農薬検査など品質管理がしっかりしている国産品は安全性が高いといえます。
自然由来の素材で作られた、できるだけ野菜の配合量が多い青汁がおすすめです。メイン成分は上記のとおり、その原料が食べられる月齢かどうかで考えましょう。
幼少期は味覚の発達のため出来るだけ自然由来の成分で揃えましょう。以下は成人向けに調整された青汁に多いため、出来る限り避けたほうが良いでしょう。
● 特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の青汁
● コラーゲンや食物繊維などの特定の有効成分を追加配合した青汁
最近の青汁には、味の調整のために様々な添加物が配合されたものも多いため、必ず裏面の全成分を確認しましょう。
添加物 | 確認点・注意点 |
---|---|
アレルゲン |
アレルギー症状の出やすいお子さんの場合は、アレルゲンとなる成分が配合されていないか、必ず確認しましょう。 |
カフェイン |
抹茶風味・緑茶風味などの味調整時に配合されている場合が多いです。選ぶときにカフェイン量も必ず確認しましょう。 |
人工甘味料 |
様々な種類があり、下痢・軟便を起こす可能性がある成分が多く存在します。依存性があり味覚のまひが起こる場合もあるため幼少期には飲ませないようにしましょう。 |
はちみつ・黒砂糖 |
通常の加熱処理では殺菌されないボツリヌス菌が含まれているため、1歳未満の子どもに飲ませることは絶対避けましょう。乳児ボツリヌス症の危険があります。 |
可能な限り農薬や化学肥料が不使用の原料から作られた青汁を選びましょう。素材の風味や栄養をそのまま味わえます。製造時の品質にも気にかけるならば、ISOやFSSC22000(食品安全システム認証)等を取得した、国際基準レベルの品質管理下で製造されたものが安心です。
上記のポイントに注意した上で、小さなお子様にはまずは少量から飲ませてみて、様子を見ながら少しずつ量を増やしましょう。野菜嫌いな子どもは、青汁の色やにおいに拒否感を示すこともあります。ちょっとの工夫で飲み慣れてくれれば拒否感もなくなりますので、アレンジ方法を一部ご紹介しましょう。
子どもの味覚は約3カ月頃から10歳頃に発達すると言われています。
野菜に関係する「苦味」や「酸味」といった感覚は、五味の中でも毒物や腐敗物を見抜くために乳幼児は避ける傾向にあり、経験によって「食べられる・食べられない」「好き・嫌い」を習得していく味覚です。
普段から野菜を嫌い傾向にあるお子さんの場合は、まず野菜の味に慣れていくことから始めましょう。その点多くの青汁は粉末状なので、少しずつ試してみることが可能です。
色々なアレンジで拒否感がないか様子を見ながら試してみてくださいね。
※混ぜる時はアレルギーにお気を付けください。
色で変化が分かりやすいので、最初はほんの少しずつ一つまみレベルから混ぜてみましょう。私自身、ケールの青汁で試しましたが、野菜嫌いな方でも飲みやすいのがこのリンゴジュースに混ぜたタイプです。大人の方にもオススメですよ。
青汁の栄養分に加えて、牛乳に含まれるたんぱく質やカルシウムも同時に摂れるため、成長期の子供にピッタリの組み合わせです。牛乳によって青臭さが和らぎ、抹茶ミルクのような味わい。こちらも最初は一つまみレベルから少しずつ混ぜる量を増やしていきましょう。
植物性の大豆タンパク質や鉄分を含む豆乳は、牛乳よりも糖質・脂質が低いヘルシー飲料です。ほんのりとした甘さで、子供でも抵抗なく飲めるでしょう。すりつぶしたバナナを加えると、甘みとコクが増すだけでなくおやつのようなボリューム感に。豆乳と青汁と果物をミックスするアレンジレシピは、栄養価的にもおすすめです。
小さなお子様のおやつとして人気の蒸しパン。ホットケーキミックスとシリコンカップなどで簡単に作ることも出来ますので忙しいパパ・ママの強い味方です。いつものパンケーキや蒸しパンの粉に青汁を少量追加して通常通り調理します。
特にパンケーキは小さく作れて子どもの遊び食べにぴったりですし、お出かけにも便利!パンケーキはお芋やバナナを小さく切って混ぜると喜んで食べてくれます。
乳酸菌を含むヨーグルトと青汁のダブルパワーで、子供の腸内環境を整える効果が期待できます。また、ヨーグルトに含まれるカルシウムは、牛乳よりも消化吸収に優れているとされています。ジャムなどと一緒にアクセントとして活用すれば、まずは見た目から喜んでくれそうです。
お菓子の緑色には抹茶や緑茶・食紅なども使われることも多いですが、体に良い成分・カフェインが入っていない成分などで緑色を出したい時には青汁がオススメです。
得にケールの青汁は濃い緑色ですが、緑黄色野菜なので体に優しく、幼児期のお子様にも安心して食べさせることが出来ます。葉っぱ型のクッキーや巻きずしの緑色などにも少量を手軽に使うことが可能です。
色々とご紹介しましたが、子どもを野菜嫌いにしないためには、まず、ママやパパが率先して野菜を食べることが重要です。美味しそうに食べる姿を見て「苦味」「酸味」があるものでも「これは美味しいものなんだ」「食べてもいいんだな」と子どもは判断します。
ママやパパが率先して青汁を飲んで見せるのも効果的。最初は少しずつ慣れていくイメージで、将来的には青汁だけでもゴクゴク飲んでくれるようになると、野菜不足を心配しないで済むので安心ですね。お子さんの健やかな成長のためにも、お気に入りの青汁を探してみてくださいね。
監修
グリ-ンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
誰もが気になる“健康”のこと。健康的な毎日を送るために欠かせないのが、十分な栄養と適度な運動です。食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、食事やライフスタイルのヒントをお伝えしたいと思います。