グリーンハウス株式会社

妊娠中に青汁を飲んでも大丈夫?赤ちゃんに影響はない?

最終更新日:2023.07.13

妊娠中に青汁を飲んでも大丈夫?赤ちゃんに影響はない?

野菜不足を手軽に補える栄養補助食品の中で、もっとも親しまれていると言っても過言ではない「青汁」。生野菜の搾り汁である青汁は栄養満点ですが、妊娠中や授乳中に飲んでも良いのでしょうか?

市販されている青汁のパッケージや青汁の通販サイトを確認すると「妊娠中でも飲んで問題はない」という旨が記載されています。しかし、本当に飲んでよいのか不安に思っている人も多いかもしれません。

そこで今回は、妊娠中・授乳中に青汁を飲んで良いのか、青汁を飲むことで得られるメリットについて、私自身の妊娠・授乳時の体験を織り交ぜながらお届けしたいと思います。

妊娠中でつわりが辛くて食事から栄養補給ができていない人や、健康な赤ちゃんを産むために食生活の改善を考えている妊婦さんは、ぜひ参考にしてくださいね。

この記事の執筆者

健康管理士一般指導員 横尾奈都

グリ-ンハウス株式会社

健康管理士一般指導員

横尾 奈都

人生100年時代の幸福度は「健康」によって大きく左右されます。健康食品業界で20年にわたり商品開発やCRMなど幅広い経験を積み、自身の健康マネジメントのため妊娠を機に始めた青汁の愛好家としての目線から、生活習慣病や老化の予防法のひとつとして有効な「青汁」に関する知見を少しマニアックにお伝えします。

妊娠中に青汁は飲んでもいい?

妊娠中に青汁は飲んでもいい?

妊娠中は、摂取を控えるべき食べ物や飲み物が数多くあり、注意が必要です。青汁は、生野菜の搾り汁を粉末状や冷凍した形で摂ることが出来る、栄養補助食品。薬ではないため、妊娠中に飲んでも問題はありません。むしろ、ビタミンやミネラルなど妊娠中に不足しがちな栄養分や、赤ちゃんが丈夫に育つために必要な栄養成分を効率よく摂取できる飲み物です。青汁の中には、妊婦さんに必須の栄養成分「葉酸」を多く含む製品もあり、つわりであまり食べられない時にも、青汁を飲めばしっかりと栄養補給ができます。

ただし、青汁の中には妊娠中は摂取を控えなければいけない成分が配合されている製品もあります。そのため、妊娠中に飲んでも問題がない青汁選びには注意が必要です。

健康管理士一般指導員 横尾奈都

横尾

ひとことメモ ①

妊娠中はたくさんの栄養を摂りたい反面、体重管理やサプリの摂取には注意したいと思っていました。つわりが辛かったり、大きなお腹で栄養バランスのよい食事を毎日作ったりするのは大変です。また、母親の摂取した食べ物が胎児の食べ物の好みに影響を及ぼすという話を聞いたことがあり、「野菜好きな子になってくれたら」との思いもあって青汁を飲むようにしました。

妊婦さんが飲む青汁のチェックポイント

妊婦さんが飲む青汁のチェックポイント

妊婦さんに摂取が推奨されている栄養素は、葉酸・鉄分・カルシウム。葉酸は胎児の発育に重要な役割を果たす成分で、1日当たり通常の食事からの葉酸摂取量+400μg程度の摂取が推奨されおり、毎日これを食事だけで補うとなるとちょっと難しい量です。また、鉄分の1日推奨量は妊娠初期で8.5~9mg、妊娠中期~後期は21~21.5mgとなっていて、妊娠後期は特に鉄分を多く摂取することが勧められています。カルシウムも赤ちゃんの骨と歯を作るために大切な栄養素で、1000mgを1日に摂取することが推奨されています。

妊娠中は、これらの栄養素が含まれる食べ物を積極的に摂りたいところですが、つわりが辛くて食欲がなかったり、食事の支度ができなかったりする場合が少なくありません。そのような時こそ、青汁の出番!青汁には、葉酸・鉄分・カルシウムを含む製品が数多くあるため、妊婦さんにもおすすめの飲み物です。

ここで大事なのが、青汁を選ぶ際には糖分やカフェインなどの添加物が含まれていないかをチェックするということです。

妊娠中は「妊娠糖尿病」を予防するために、糖分の摂取量には気を付けなければいけません。青汁の中には、飲みやすくするために砂糖や人工甘味料、フルーツ果汁を加えたものがあります。妊婦さんが青汁を飲む場合は、糖質が多く含まれた青汁は避けた方が安心でしょう。

また、妊婦さんが摂取を控えるべき成分にカフェインがあります。青汁にカフェインが含まれているイメージはあまりありませんが、「抹茶風味」と記載がある製品には緑茶が含まれていることが多いため、購入する時はカフェインが含まれていない青汁であるかを確認してください。

さらに重要なのが、青汁の原料についてです。青汁はケールや大麦若葉など栄養成分が豊富な野菜が原料に使われていますが、その産地や栽培状況も大事なチェックポイントです。原産地や栽培時の農薬使用の有無などが分かる製品を選ぶことをおすすめします。

  • 妊婦さんが選ぶべき青汁の条件

    1. ノンカフェイン
    2. 糖質が無添加のもの
    3. 国産原料を使用しているもの
    4. 食品添加物が入っていないもの
    5. 妊婦に必要な栄養素(葉酸・鉄分・カルシウム)が含まれているもの

以上の条件を踏まえて、青汁を購入する際にはパッケージや青汁通販サイトに記載されている原料の産地や成分表をしっかりと確認しましょう。

青汁には粉末タイプや冷凍タイプ、ドリンクタイプ、ゼリータイプなどさまざまな形状がありますが、中でも使い勝手が良いのが粉末タイプです。水はもちろん、牛乳に溶かせば飲みやすくなるうえにカルシウム分が豊富な栄養ドリンクに。

また、元気な赤ちゃんを産むためにも、青汁はできるだけ継続して飲むのがおすすめです。そのためには、飲みやすさや使い勝手の良さ、コスパの良さも重視したいところ。

粉末タイプの青汁は、冷凍タイプ青汁よりもコスパが良いため、無理なく飲み続けられます。通販の青汁は、お得な定期コースが用意されている場合が多いので、まずは通常購入を試してみてから定期購入を検討するのもおすすめの方法です。

健康管理士一般指導員 横尾奈都

横尾

ひとことメモ ②

ビタミン剤や葉酸サプリなどは特定の栄養素を摂るためのものですが、あくまでも食事の補助なので、自然な野菜の絞り汁である青汁の方が抵抗を感じませんでした。生産者の顔が見えたり、残留農薬がチェックされていたり、品質管理の面でも普段スーパーで購入している野菜より安心できました!

原料によってどう違う?どう選ぶ?

原料によってどう違う?どう選ぶ?

いざ青汁を購入しようと思ってドラッグストアに行ったり、インターネットで検索したりしても、商品の種類が多すぎてどれを選べば良いのか迷う人が多いかもしれません。

「妊婦さんが選ぶべき青汁の条件」をクリアしている製品の中で、次に選ぶポイントとなるのが原料に使われている素材です。青汁に使われている原料は、おもに4種類です。

種類 飲みやすさ 特徴
ケール 若干のクセあり ビタミンやミネラルなどの栄養価の高さとバランスの良さが圧倒的。非常に高い抗酸化力も魅力。
大麦若葉 クセなし 野菜が苦手でも飲みやすい。イネ科の植物のため野菜不足の解消という点では物足りない部分も。
明日葉 クセなし カルコンという明日葉特有の成分が含まれている。
桑の葉 クセなし 抗ストレス作用があるGABA(ギャバ)を含有。

このうち、妊娠中に積極的に摂りたい栄養素である「葉酸」を多く含んでいるのがケールで、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にすると100gあたり120μgとなっています。同じく、ケールの青汁には820 μgの葉酸が含まれていることが記載されています。また、明日葉に含まれる葉酸の量は100gあたり100μg。大麦若葉や桑の葉は日本食品標準成分表に数値の記載がなく、メーカーが独自に調べた成分含有量を公表している場合がほとんどです。

ケールは“野菜の王様”と呼ばれるほど沢山のビタミンやミネラル分をもつ野菜ですが、中でもビタミンCは100gあたりに81mg含まれ、グレープフルーツの36mgを大きく上回っています(※)。ビタミンCと言えば“美容に良いビタミン”というイメージがありますが、実は鉄の吸収を助けたり、免疫力をアップさせたりする作用もあるのです。妊娠中は免疫力が低下して感染症リスクが高まったり、歯周病にかかりやすくなったりするため、ビタミンCの積極的な摂取が推奨されています。ケールは、妊婦さんに必要な栄養素をたっぷり補える優秀な野菜なのです。

※出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

健康管理士一般指導員 横尾奈都

横尾

ひとことメモ ③

最もおすすめなのは、高い抗酸化作用を持ち、栄養価の高さから野菜の王様とも呼ばれる「ケール」。青汁といってもさまざまなので、産地や製造方法などもチェックして野菜の配合量が多いものを選ぶことがおすすめです。

妊娠中に青汁を飲むメリットとは?

妊娠中に青汁を飲むメリットとは?

妊娠中は身体がだるかったり、つわりがひどい時期は食べ物を全く受け付けられなかったりと、普段とは違う状態です。青汁は粉末タイプの製品であれば水や牛乳に溶かすだけで手間がかからず、不足しがちな栄養素を簡単に補えます。青汁は一般的にカロリーが低く、食前に飲めば食べすぎを防ぐことが出来るので、体重管理にもピッタリです。

また、妊娠中は血液中の水分量が増えたり、ホルモンバランスに影響されたりすることで、身体がむくみやすい状態に。青汁には、体内の過剰なナトリウム(塩分)を排出する作用があるミネラル成分「カリウム」が含まれているため、むくみ改善効果や高血圧予防が期待できます。

ほかに、多くの妊婦さんを悩ませているのが「便秘」。青汁には食物繊維が含まれている製品が多く、そういった青汁を選べば食物繊維の整腸効果によって便秘を改善してくれるでしょう。

健康管理士一般指導員 横尾奈都

横尾

ひとことメモ ④

妊娠糖尿病の予防にも。
また、ビタミン・ミネラルだけでなく、葉緑素やスルフォラファン(※)がとれる点も魅力です。
※…高い抗酸化作用や解毒作用から、がん予防効果が期待される成分として注目を集めている天然の化学物質(ファイトケミカル)

出産後も青汁を飲む習慣を

出産後も青汁を飲む習慣を

赤ちゃんが生まれて授乳が始まると、今度は「授乳中に青汁を飲んでも大丈夫?赤ちゃんの健康に影響しない?」という疑問が湧いてくるかもしれません。

答えは「大丈夫」。授乳中に青汁を飲んでも問題はありません。これまでお伝えした通り、青汁は栄養価がとても高い飲み物です。特に、青汁に含まれる葉酸は出産後のママの体力回復をサポートしたり、赤ちゃんの健やかな成長を手助けしたりと、出産後も積極的に摂るべき成分と言えます。

また、青汁には母乳の質を良くするとされているカルシウムや鉄分も含有されています。授乳中はママの体内にあるカルシウム分が母乳に溶けだしてしまうため、ママが将来骨粗しょう症になるのを予防するためにも、摂取を心掛けたい成分です。

さらに注目の成分が、ビタミンK。ビタミンKには血液を凝固させたり、骨の形成を促進したりする作用があります。母乳で育てている場合、赤ちゃんの「乳児ビタミンK欠乏性出血症」を予防するために、ママにはビタミンKを含む食べ物の摂取が勧められています。青汁にはビタミンKも多く含まれているので、食事でビタミンKを摂取することが難しい場合には青汁で補うのも良いでしょう。

適量を守って活用しよう

適量を守って活用しよう

ここまで、妊娠中・授乳中の青汁の摂取について解説してきました。ビタミンやミネラルなどは食べ物から摂取するのが理想ですが、体調によって難しい場合は、青汁に頼るのも一つの方法。青汁は、妊娠中に必要な栄養素を手軽に摂取するためや、赤ちゃんの健やかな成長のためにもぜひ飲みたい栄養補助食品なのです。

しかし、妊娠中は普段よりも身体がデリケートになっています。青汁を栄養補給のために飲みたい場合は、念のために医師に確認すると安心です。

また、妊娠中は身体を冷やさないようにすることが大切。そのため、粉末タイプの青汁は常温の水や少し温めた牛乳に溶かして飲むのがおすすめです。

青汁のパッケージや公式サイトに記載されている適量を守って、青汁の健康効果を活用しましょう。

健康管理士一般指導員 横尾奈都

横尾

ひとことメモ ⑤

青汁のおかげか、産後は母乳の出がすこぶる良かったです!(母乳は血液から作られるためビタミンKのサラサラ効果かも・・・)。 子供の舌は大人より敏感に出来ていて苦みや酸味が苦手なのだそうですが、息子は小さい頃から野菜が大好きで、ピーマンも好んで食べていました。
また、産後も野菜が足りないと思った日は青汁を飲んでいた私を見て子供も興味を持つようになり、一緒に飲んでいました。幼い頃から「体を思いやること」「健康」をなんとなく意識させることが出来たのか、高校生になった今も、青汁を目につくところに置いておくと、ジュースと同じ感覚で飲んでいます。
個人的には良いこと尽くめだった妊娠中・授乳中の青汁ですが、個人差があるので心配だったり服用している薬があったりする場合は医師に相談してくださいね。

毎日手軽に飲める、国産ケールを使用した青汁はこちらからチェックできます。

監修

食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

グリ-ンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

誰もが気になる“健康”のこと。健康的な毎日を送るために欠かせないのが、十分な栄養と適度な運動です。食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、食事やライフスタイルのヒントをお伝えしたいと思います。